第441話あえて彼女に陰謀を企てる、計算ミス

「ジョンソンさん、どうされました?」

責任者はすぐには立ち去らなかった。出入口でエミリーが立ち止まったのを見た瞬間、胸がひゅっと鳴る。

――まさか、エミリーが何かに気づいたのか?

だが、すぐにその考えを振り払った。

エミリーは家族に捨てられた身にすぎない。無色無臭の薬など、嗅ぎ分けられるはずがない。

相手が誰であれ、普通は気づきようがないのだ。

しかし――相手がエミリーだった。

あの香の煙は、実際には無色無臭というわけではない。きわめてかすかなだけだ。だがエミリーは、人並み外れて鼻が利く。

彼女は嗅いでしまった。

「何でもないわ」

エミリーは微笑み、そのまま室内へ歩みを進め...

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